この記事でわかること
- 会議の記録をNotebookLMに溜めておくと何が便利になるかがわかる
- ハルシネーション(AIが事実と異なる内容を生成してしまう現象)が起きにくい理由がわかる
- セキュリティ面で安心して使えるかどうかの判断基準がわかる
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会議が終わってしばらく経つと、「あの件、どう決まったんだっけ」と記憶があいまいになってくるものです。
議事録を探して開いてみたはいいものの、どこに書いてあるかわからない。そもそも議事録自体が作られていなかった、ということも珍しくありません。30人規模の会社でも、毎週のように会議があれば、記録はあっという間に溜まっていきます。でも「後から確認できる形」になっていることは、なかなかないものです。
そんな状況を変えてくれるかもしれないツールが、GoogleのNotebookLMです。「また新しいAIツールの話か」と思った方、少しだけ聞いてください。使い方はとてもシンプルで、Googleアカウントがあれば無料で使い始められます。
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NotebookLMって何をするツールなの?
NotebookLMは、自分がアップロードした資料だけを根拠に、AIが質問に答えてくれるツールです。
普通のAI(ChatGPTなど)はインターネット全体の情報を学習していますが、NotebookLMは違います。自分が登録した資料の中だけを見て答えてくれるので、「社内の話をしているのに、関係ない情報が混じってくる」ということがありません。
使い方は難しくありません。GoogleアカウントでNotebookLMにログインして、「ソース」と呼ばれる場所に資料を追加するだけです。PDFや音声ファイル、GoogleドキュメントのURLなどを登録しておくと、チャット画面でAIに話しかけながら内容を確認できるようになります。感覚としては「資料をよく読んでいるスタッフに聞く」に近いかもしれません。
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溜めることで何が変わるか
NotebookLMの面白さは、1回使うより、積み重ねるほど価値が出てくる点にあります。
たとえば、毎月の定例会議の議事録を月ごとに登録し続けていったとします。半年後に「あの設備投資の件、最初にどう議論されていたんだっけ」と思ったとき、NotebookLMに「設備投資について最初に話し合われたのはいつですか」と入力するだけで、該当する会議の内容を引き出してくれます。
議事録ファイルを一つひとつ開いて読み返す必要はありません。「誰がそう言ったか」「どの会議でそう決まったか」が、チャット形式で確認できるようになります。
会議の録音データを使うこともできます。1時間程度の音声ファイルなら、アップロードしてから1分ほどで内容の概要が表示されます。MP3などの音声ファイルをそのまま登録できるので、録音さえしておけば、文字起こしの手間をかけずに蓄積できます。
ただし、AIが出した答えをそのまま使うのではなく、大事な判断の前には、元の議事録を人間が確認するようにしてください。AIはあくまで下書き係・調べ係として使い、最後の判断は人間が行うという姿勢が、安心して使い続けるコツだと思います。
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ハルシネーションが起きにくい理由
AIを使うときに心配になるのが、「もっともらしい嘘をつかれないか」という問題です。これをハルシネーションといいます。
NotebookLMは、自分がアップロードした資料だけを根拠にして回答を生成します。インターネット上の不確かな情報を混ぜることがないため、一般的なAIに比べてハルシネーションが起きにくい構造になっています。
さらに、回答の中に「この発言はどのソースのどの部分を参照したか」が表示されます。気になったときはその箇所をクリックすれば、元の資料の該当部分を確認できます。「AIがそう言っていたから」ではなく、「あの会議でこう言っていた」と根拠を持って確認できるのは、実務でとても助かります。
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セキュリティは大丈夫?
「社内の会議の内容を外部のツールに入れて大丈夫なのか」という不安は、当然の感覚です。
NotebookLMはGoogleのインフラ上で動いています。自分がアップロードした資料が、他のユーザーへの回答に使われることはありません。個人のGoogleアカウントでも利用できますが、会社の情報を扱う場合は、法人向けのGoogle Workspace(有料プラン)を通じて使うとより安心です。Workspaceの法人プランでは、より強固なデータ保護の仕組みが提供されており、登録できるソース数も最大300個と大幅に増えます。
完全にリスクゼロとは言い切れませんが、すでに多くの企業がGmailやGoogleドライブを業務に使っているように、Googleのサービスとしての信頼性は一定の基準を満たしていると考えてよいでしょう。
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まとめ
NotebookLMは、会議の記録を「溜めて、後から聞ける」場所として使うと本領を発揮します。議事録を作ること自体も楽になりますが、それ以上に、過去の意思決定の経緯をいつでも引き出せるようになることが、それが、半年後・1年後に効いてきます。
まず1回だけ、直近の議事録を1枚だけ登録してみてください。「あ、こういう使い方か」とすぐにわかります。最初から完璧に整えようとしなくて大丈夫です。一つ登録するたびに、少しずつ使える資産になっていきます。
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Q&A
録音データはそのまま入れられますか?
MP3やWAVなどの音声ファイルは、そのままアップロードして登録できます。1ファイルあたり200MBまで対応しているので、1〜2時間程度の会議録音であれば問題なく使えます。ZoomやTeamsで録画・録音したデータも活用できます。ただし、NotebookLMはリアルタイムの文字起こしには対応していないため、会議中に自動で記録が残るわけではありません。会議が終わったあとにファイルを登録する、という流れになります。
無料で使えますか?有料版との違いは何ですか?
個人のGoogleアカウントがあれば、無料で使い始められます。無料版では1ノートブックにつき最大50個のソースを登録できます。Google Workspaceの有料プランを使っている場合は、最大300個まで登録できるようになります。会社の情報を本格的に蓄積していく場合や、セキュリティ面をより確実にしたい場合は、法人向けのWorkspaceプランの利用を検討してみてください。

